【著者】友常 勉

【判型】四六判、上製、スピン有
【頁数】400頁
【定価】本体3,800円+税
【コード】ISBN978-4-906738-38-0
【カバー写真】伊丹 豪

 

反日・反国家・反資本主義

 

 

東アジア反日武装戦線、はだしのゲン、寄せ場労働者、
被差別部落、アイヌ民族、在日、水俣病の患者たち……
近現代日本が抱える宿痾に対していかに闘い、何を失い、何を獲得・奪還したのか。
当事者による様々な表現・言説の分析と革命の(不)可能性をめぐる考察。

 

【著者より】

世界の過半を占める「流動的下層労働者」は不断に叛乱し、
富裕者を恐怖させている。
「黙って」「わからぬように」「民衆に理解できるように」「事実行為で連帯する」闘争は
彼ら・彼女らをそのつど結びつけている。
足りないものがあるとすれば輝きである。
私たちはその闘いをもっと資本との闘いに、
生産行為の過程に向ければいい。
輝かしい栄光をもって、「流動的下層労働者」はこうして顕現する。

――「流動的‐下層‐労働者」より

 

 

【目次】

はじめに

 ヘテロな空間をつくりだせ——戦後都市開発とアンダークラスのプロレタリア化

流動的下層労働者

 流動的‐下層‐労働者
 山谷暴動の研究——資本主義的複合体と空間支配
 狂気の輸出、沈黙の連帯——一九七五年六月、船本洲治の二通の「イショ」
 商品の反ラプソディックな実在論とラプソディックな革命論——井上康・崎山政毅『マルクスと商品語』

東アジア反日武装戦線

 武器を取れ——大道寺将司の俳句
 解説 桐山襲『パルチザン伝説』
 六朝美文とゲリラ——『捨子物語』
 ギギギ——私闘するテロリスト漫画

サバルタンと部落史

 サバルタンと宗教——被差別部落の経験から
 〈矢田教育差別事件〉再考
 部落解放運動の現在とこれから
 〈党〉と部落問題——大西巨人『神聖喜劇』

アイヌ民族

 日本が滅びたあとで
 新谷行『アイヌ民族抵抗史』を読むために

表現と革命

 国家の暗黒と審査文化——日航123便墜落事件と事故調査委員会
 マルスとヴィーナス——石牟礼道子と水俣病闘争
 キュニコスの勝利——大島渚
 〈キチガイ〉というサバルタン階級の時代——夢野久作『ドグラ・マグラ』
 『新カラマーゾフの兄弟』のメタ・クリティーク
 私的短歌論ノート——吉本隆明『初期歌謡論』に寄せて
 〈現在〉と詩的言語——吉本隆明・岡井隆・大道寺将司
 痛みの「称」——正岡子規の歴史主義と「写生」

 

【略歴】

友常 勉(ともつね・つとむ)
東京外国語大学大学院国際日本学研究院教授(地域研究、思想史)。
1964年生まれ。
著書に『戦後部落解放運動史』(河出書房新社、2012年)、
『脱構成的叛乱』(以文社、2010年)、『始原と反復』(三元社、2007年)など。