【著者】松本圭二
【判型】四六判、仮フランス装(天アンカット)、スピン有り
【頁数】396頁
【定価】本体3,200円+税
【コード】ISBN978-4-906738-26-7
(栞=寄稿:佐々木敦、著者解題)
カバー図版:小山泰介 Tidal Line #1, 2013
数奇な軌跡をたどった詩集――
ライラック号で来る
虚言使いの夏あり
室内からの廃風につつまれて
夏がうだる
羽虫たちはハイウェイの上空に集まり
死んだ
プラント
防波堤に沿い
巨人たちが倒立する
死んだ風を呼び
もう一度殺す
イノセンス
工都の闇に護られ
〝私の家族は
鉄を食べていた〟
【著者より】
私は第2詩集の製作の一切を自らのコントロール下に置きたいと望むようになり、
郷里四日市での土建屋の仕事を逃げ出し、七月堂に押し掛けた。
そこで働きながら詩集を作ろうとしたのだった。
自分の詩集のことしか頭にない私は、遅刻や欠勤を繰り返し、
ひたすら来るべき書物の姿を追い求めた。
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【著者略歴】
松本圭二(まつもと・けいじ)
詩人。フィルム・アーキヴィスト。
1965-。早稲田大学第一文学部中退。
2006年、『アストロノート』(「重力」編集会議)で萩原朔太郎賞受賞。
他の詩集に、『ロング・リリイフ』(七月堂、1992年)、
『詩集』(私家版、1995年)、『詩集・未製本普及版』(アテネ・フランセ文化センター、1996年)、
『詩集工都』(七月堂、2000年)、『詩篇アマータイム』(思潮社、2000年)。