『啓蒙と神話』

【著者】藤井俊之

【判型】A5判、上製、スピン有り
【頁数】368頁
【定価】本体3,800円+税
【コード】ISBN978-4-906738-22-9

 

市民社会のアポリアに挑む

 

 

ベケット、ベンヤミン、ワーグナー、ゲーテ、ベートーベン……
フランクフルト学派の異端児、テオドーア・W・アドルノが
彼らの音楽・文学への批評を通じて描き出した、近代市民社会における「人間性」概念の諸形象。
本書は、この概念のヨーロッパ啓蒙主義以後の変遷を
アドルノの思想に寄り添いながら丹念にたどることで、
市民社会の根源に孕まれているアポリアを剔り出す。
アドルノによる啓蒙批判、「人間性」批判の真の意図とは何か。

 

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【目次】

序論

第Ⅰ章 「人間性」と「野蛮」の弁証法――アドルノのイフィゲーニエ論を手がかりに

第Ⅱ章 カテゴリーと媒介過程――ベートーベンにおけるカントとヘーゲル

第Ⅲ章 ざわめきとしての主観――アドルノのアイヒェンドルフ論に寄せて

第Ⅳ章 市民社会の幻影――ワーグナーとファンタスマゴリーの技術

インテルメッツォ アドルノとベンヤミンの書簡による観想学的スケッチ

第Ⅴ章 ベンヤミンのイメージ論――クラーゲスとシュルレアリスムのあいだで

第Ⅵ章 ベンヤミンのシュルレアリスム論――「内面性」の崩壊とイメージ空間の出現

第Ⅶ章 アドルノのベケット論――市民社会論的解読の試み

結びにかえて

補章Ⅰ ドイツ啓蒙主義における「道徳性」と「美的なもの」――レッシング『ハンブルク演劇論』第74‐79篇を手がかりとして

補章Ⅱ 同情と啓蒙――レッシングと批判理論における一致と差異

 

【著者略歴】

藤井俊之(ふじい・としゆき)
京都大学人文科学研究所助教。
1979年生まれ。博士(人間・環境学)。京都大学大学院博士課程修了。
論文に「進歩――ヒアトゥスをめぐる問いかけ」(『思想』2017年4月号)、
共著に、松山壽一監修、加國尚志・平尾昌宏編『哲学の眺望』(晃洋書房、2009年)など。