資本の専制、奴隷の叛逆 表1資本の専制、奴隷の叛逆 表4

【編著】廣瀬 純

【判型】四六判、並製、天アンカットスピン有
【頁数】384頁
【定価】本体2,700円+税
【コード】ISBN978-4-906738-15-1

ディストピアに身を沈め
ユートピアへ突き抜けよ

 

 

安倍自公政権下のここ日本で誰もが知ることになったのは、
今日の資本にとって民衆は
「搾取し続けるために生かしておくべき“労働者”」であることをやめ
「死ぬまで収奪し尽くすべき“奴隷”」になったという事実だ。

本書の各論者が、ギリシャとスペインを軸に
現代ヨーロッパの「物質的構成」について展開する分析で
「金融独裁」「植民地主義」「内戦」「カタストロフ」といった言葉で語るのもまた、
資本による民衆のこの奴隷化にほかならない。

メトロポルの奴隷たちはいかに叛逆するのか。
いかにして彼らは攻勢に転じ「制度」を奪還するのか――

スペイン、ギリシャ、イタリアの最先端政治理論家たちが
ポスト産業資本時代の「絶望するヨーロッパ」をラディカルに分析する

 

【書評・紹介】

朝日新聞2016年3月13日付、書評「欧州が直面する危機を分析」中村和恵
長州新聞2017年2月8日付、書評「グローバリズムに抗する新潮流」

 

【著者より】

本書は今日のヨーロッパの情勢をめぐり、廣瀬がスペイン、イタリア、ギリシャの政治思想家8人を対象に2015年秋に行ったインタヴューと彼らの論考でなっているが、焦点はギリシャとスペインであり、いずれも「問題」として扱われる。
シリザは「民主主義」の危機として(日本でいう辺野古基地建設)、ポデモスは経済闘争と政治闘争との接続の危機として(SEALDsなどによる安保法制反対運動)。(…)

今日の社会にあって、資本によって死ぬまで収奪し尽くされるという傾向を生きるなかでなお過激化しないでいられる者などいるか。
日本各地であれほど大規模なデモが連日のように展開されたにもかかわらず、そんなデモなど一度もなかったかのように原発を再稼働させ、辺野古基地建設を進め、安保法を成立させる資本=国家複合体を前にしてなお過激化しない者などいるか。(…)

 

主な取り扱い書店一覧

 

【目次】

Ⅰ ヨーロッパ

「危機」の政治化 サンドロ・メッザードラ 
 論考 ブリュッセルの「一方的命令」とシリザのジレンマ
  エチエンヌ・バリバール/サンドロ・メッザードラ/フリーダー・オットー・ヴォルフ

資本の戦争的本性とその回帰 マウリツィオ・ラッザラート

集団的知力の自己組織化のために フランコ・ベラルディ(ビフォ)
 論考 「ヨーロッパ」を名実ともに消し去ろう フランコ・ベラルディ(ビフォ)

Ⅱ スペイン/ギリシャ

「大衆」は突破口を探し求めている——ギリシャとスペイン フアン=ドミンゴ・サンチェス=エストップ

新たな闘争サイクル——スペイン① ラウル・サンチェス=セディージョ
 論考 野生的で構成的な民主主義のために アントニオ・ネグリ/ラウル・サンチェス=セディージョ

「匿名の政治」の出現とその運命——スペイン② アマドール・フェルナンデス=サバテル
 論考 文面的政治と文学的政治——政治的フィクションと15Mについて
  アマドール・フェルナンデス=サバテル

「バルサロナ・アン・クムー」とは何か——スペイン③ パンチョ・ラマス
 論考 侵入の世代 パンチョ・ラマス

侮辱された人々による「ファック・オフ!」——ギリシャ スタヴロス・スタヴリデス
 論考 シンタグマの後で スタヴロス・スタヴリデス

解説 現代南欧政治思想への招待 廣瀬 純

 

『資本の専制、奴隷の叛逆』補遺 ジジ・ロッジェーロへのインタヴュー
オペライズモ、主観性、階級構成(第1部)
オペライズモ、主観性、階級構成(第2部)


 

【略歴】

廣瀬 純(ひろせ・じゅん)
龍谷大学経営学部教授。1971年生まれ。
著書に『暴力階級とは何か』(航思社)、『アントニオ・ネグリ 革命の哲学』(青土社)、
『絶望論』『闘争のアサンブレア』(共著、ともに月曜社)、
『蜂起とともに愛がはじまる』『美味しい料理の哲学』(ともに河出書房新社)、
『闘争の最小回路』(人文書院)、『シネキャピタル』(洛北出版)、
訳書にアントニオ・ネグリ『未来派左翼』(NHK出版)、『芸術とマルチチュード』(共訳、月曜社)、
フランコ・ベラルディ(ビフォ)『NO FUTURE』(共訳、洛北出版)ほか。