『2011 危うく夢見た一年』カバー『2011 危うく夢見た一年』表紙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【著者】スラヴォイ・ジジェク 
【訳者】長原豊
【原題】The Year of Dreaming Dangerously
【判型】四六判、並製・天アンカット 
【頁数】272頁
【定価】本体2,200円+税
【コード】ISBN978-4-906738-03-8

この年に何が起きたのか?

  ウォール街占拠運動、アラブの春、ロンドンやギリシャの民衆蜂起、 イランの宗教原理主義の先鋭化、ノルウェイの連続射殺事件、 そして日本での福島原発事故と首相官邸前行動……

はたしてこれは、革命の前兆なのか、それとも保守反動の台頭なのか?

(日本語版にはオリジナルで、書き下ろし序文〔『ダークナイト ライジング』論〕、および各国の闘争・蜂起の風景の写真を所収)

 

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【著者より】

本書は、われわれが置かれている布置連関についての「認知図」に貢献するための一つの努力である。
まず現代資本主義の主要な特徴についての簡単な描写を提示し、次いで社会的敵対性への反作用において起きた反動現象(とくにポピュリスト的な叛乱)に焦点を絞り込んで、そこでヘゲモニーを握っているイデオロギーの輪郭にラフな描写を与えることにしよう。
後半では、二つの大きな解放運動である〈アラブの春〉と〈ウォール街占拠運動〉を論じ、システムの機能強化をもたらすことなくシステムと闘うにはどうしたらよいのかという難問に立ち向かうことにする。 (…)
どの「真実」が、グローバルな資本主義との関係で、今日、述べられねばならないのか?

 

【目次】

日本語版序文 衆愚の街(ゴッサム・シティ)におけるプロレタリア独裁

第Ⅰ章 序論――〈War Nam Nihadan

第Ⅱ章 支配から搾取と叛乱へ

第Ⅲ章 政治的代議の「夢仕事」

第Ⅳ章 邪悪な民族的〈モノ〉の回帰

第Ⅴ章 ポスト・イデオロギーの砂漠へようこそ

第Ⅵ章 アラブの四季

第Ⅶ章 ウォール街占拠、あるいは新たな始まりの暴力的な静けさ

第Ⅷ章 《ザ・ワイヤー》、あるいは非―出来事的なこの時代で何を為すべきか

第Ⅸ章 羨望と怨念を超えて

第Ⅹ章 結論―未来からの合図

訳者解説

 

【著者】
スラヴォイ・ジジェク(Slavoj Zizek)
1949年、スロヴァニア生まれ。
リュブリアナ大学社会学研究所上級研究員、ロンドン大学バークベック校国際ディレクター。
ラカン派マルクス主義者として現代政治、哲学、精神分析、文化批評など多彩な領域で言論活動をつづける。 翻訳された著書に、『終焉の時代を生きる』(国文社)、『ポストモダンの共産主義』(ちくま新書)、 『パララックス・ヴュー』(作品社)、『大義を忘れるな』『暴力』(ともに青土社)、 『ロベスピエール/毛沢東』(河出文庫)など多数。

【訳者】
長原豊(ながはら・ゆたか)
1952年、富山県生まれ。
法政大学経済学部教授。
著書に『天皇制国家と農民』(日本経済評論社)、『われら瑕疵ある者たち』(青土社)、 訳書にジジェク『迫り来る革命』(岩波書店)、『器官なき身体』(河出書房新社)、 バディウ『ワーグナー論』、ジェイムソン『ヘーゲル変奏』(ともに青土社)など多数。