『アルチュセールの教え』

【著者】ジャック・ランシエール
【訳者】市田良彦・伊吹浩一・箱田徹・松本潤一郎・山家歩
【原題】La leçon d’Althusser
【シリーズ】革命のアルケオロジー 1
【判型】四六判、仮フランス装、天アンカット、スピン有り
【頁数】328頁
【定価】本体2,800円+税
【コード】ISBN978-4-906738-04-5

 

大衆反乱へ!

 

哲学と政治におけるアルチュセール主義は、煽動か、独善か、裏切りか―― 68年5月を領導したとされる師のマルクス主義哲学者に対し、 当の68年5月とその後の闘争をめぐり訣別、 「分け前なき者」の側に立脚して、存在の平等と真の解放をめざす思想へ。 思想はいかに闘争のなかで紡がれねばならないか。

【著者より】
私は、40年前の私を導いていた敵味方を識別する原理を変えたことはない。 すべての者に共通する能力を前提にすることだけが、思考の力と解放のダイナミズムを基礎づける、という理念だ。 それゆえに、私の当時の戦闘的な思想と言葉づかいが現在と出会うことに、私はそれほど不安を覚えてはいない。 ここにある思想と言葉づかいは、不正義の世界的支配に異議を申し立てるため今日街頭を占拠している人々の渇望と闘いのほうにこそ、同時代的であるように思える。 (…)この姿勢は、ほんのわずかな人間の利益が大多数の人間の利益と衝突するときに用いられる暴力に対して、より見合っているように思える。 ――「新版へのまえがき(2011年12月)」より

 

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【目次】

新版へのまえがき 第一版序文(一九七四年)

第Ⅰ章 正統の教訓

    ――M. L. はジョン・ルイスに大衆が歴史をつくることを教える

第Ⅱ章 政治の教訓

    ――哲学者たちはいかにして王とならなかったか

第Ⅲ章 自己批判の教訓

    ――階級闘争が理論のなかで荒れ狂う

第Ⅳ章 歴史の教訓

    ――ヒューマニズムの害悪

第Ⅴ章 自分の席についた言説

補 遺 イデオロギー論について

   ――アルチュセールの政治(一九六九年)

【著者】
ジャック・ランシエール(Jacques Rancière)
1940年、アルジェ生まれ。パリ第8大学名誉教授(哲学、政治思想、美学)。
邦訳された著書に『不和あるいは了解なき了解』『民主主義への憎悪』(ともにインスクリプト)、『無知な教師』『感性的なもののパルタージュ』(ともに法政大学出版局)、『イメージの運命』(平凡社)など。

【訳者】
市田良彦(いちだ・よしひこ)
1957年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科教授。
著書に、『ランシエール』(白水社)、『革命論』『アルチュセール ある連結の哲学』『闘争の思考』(以上、平凡社)、訳書にアルチュセール『哲学・政治著作集』全2巻(共訳、藤原書店)、ヴィリリオ『速度と政治』(平凡社)など。

伊吹浩一(いぶき・ひろかず)
1967年生まれ。専修大学・愛知大学非常勤講師。
訳書にアルチュセール『再生産について』(共訳、平凡社)、ネグリ『革命の秋』(共訳、世界書院)など。

箱田徹(はこだ・てつ)
1976年生まれ。
立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。
著書に『フーコー統治論(仮)』(慶應義塾大学出版会、近刊)、訳書にクリスティン・ロス『六八年五月とその事後の生』(インスクリプト、近刊)など。

松本潤一郎(まつもと・じゅんいちろう)
1974年生まれ。立教大学非常勤講師。
著書に『ドゥルーズ 千の文学』(共著、せりか書房)、訳書にドゥズィーナス/ジジェク編『共産主義の理念』(共訳、水声社)など。 山家歩(やまか・あゆむ) 1969年生まれ。法政大学・専修大学非常勤講師。 著書に『戦争と近代』(共著、社会評論社)、訳書にアルチュセール『再生産について』(共訳、平凡社)など。