11月刊の松田政男『風景の死滅 増補新版』の書評が、奇しくも10日発売の2つの媒体に掲載されました。

まず、図書新聞1月18日号(3142号)で栗原幸夫さん
それぞれ日本共産党神山派の一員として以来60年の関わりのなかから、
厳密に、初版時の評価と今回の再読時を比較しつつ分析しています。

「私は、嘗てもまた今回も、この本を読みながら、
竹内好の日本では『一木一草に天皇制がある』(「権力と芸術」、一九五八年四月)
という卓抜した箴言をしきりに思い出したのだった。
ここから出てくる結論は、
風景を国家たらしめているのは『国民の意識』だ、ということである。
この松田の本は、われわれに、四十余年の時を隔てて〈文化革命〉を呼びかけている」

と喝破しています。
(全文はこちらでも読めます:栗原幸夫のホイのホイ

つぎに、『週刊金曜日』1月10日号(974号)で白石嘉治さん
本書執筆のきっかけとなった永山則夫の、その訛りのなさを指摘、本書と関連づけたうえで、

「マルクスは世界を商品の集積とみなしたが、
ドゥボールは世界はスペクタクルとしてあらわれるといった。
ドゥボールと同様に、松田も読みつがれなければならないだろう」

と言及しています。

ぜひ各紙誌を、そして本書をお手に取ってみてください!