【著者】市田良彦

【判型】四六判、並製
【頁数】464頁
【定価】本体3,600円+税
【コード】ISBN978-4-906738-55-7

【カバー写真】水谷吉法

【ためし読み】

 

出会い/連結の理論へ

 

アルチュセール、フーコー、ネグリ、ランシエール、
そしてフランス革命期の政治家サン=ジュスト……
かれらとともに革命の(不)可能性とその条件を極限まで思考してきた
社会思想史家の35年の軌跡。
未公開講演録も収録。

 

 

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【著者より】

渡仏を機会に私は「研究者」になろうとした。
「研究者である」とは、活動を持続させるエネルギーを
「情勢」からではなく「対象」から、
それも自分がその「対象」を掘ることで汲み出す、という意味である。
要は一種の自家発電を可能にする仕事のスタイルである。
本書を編むにあたり、それを「エチカ」と呼んでみた。〔…〕
その「エチカ」から生まれたいくつかのアルチュセール論を
本書でようやく日本語にして発表できることに、私はいま肩の荷を下ろした気分でいる。
そして、それらはいわゆる「学術論文」とは相当に異なる趣をもっている。
「考えることのエチカ」を大学制度とは共有していないことだけは一目瞭然である。
私とフランソワ・マトゥロンのいくつかの仕事がなければ、
ここで言及されている「偶然性唯物論」は実在していなかったろうと思える点では、
私たちは〝勝利〟した。
しかし、私たちがアルチュセールとその時代から受け継ごうとした
「書くこと」と「読むこと」をめぐる「エチカ」は、虚しく宙を舞っている。

――Ⅱ巻「あとがき」より

 

【目次】

アルチュセール

 私はいかにして『ルイ・アルチュセール――行方不明者の哲学』を書いたか
 ルイ・アルチュセール「偶然性唯物論」講義
 危機をまえにした哲学
 理論主義と真空の概念
 ルイ・アルチュセールはどのように仕事をしたか
 ルイ・アルチュセールにおける時間と概念
 一、二、三、四、万のアルチュセール
 〈風変わり〉なアルチュセール、風変わりな本棚
 アルチュセール、記憶、ベンヤミン、パサージュ……
 未来は永く続く
 アルチュセールの悲劇的な実践をめぐって

近代の再定置

 ソフィストはいかにしてパレーシアストになったか
 ライフハックと政治とフーコーの〈哲学〉
 公共空間は全体主義に抗しうるか
 再び〈以下ヲ欠ク〉
 転覆と反転
 自然と制度

 

【略歴】

市田良彦(いちだ・よしひこ)
社会思想史。神戸大学名誉教授。1957年生まれ。
著書に著書に『フーコーの〈哲学〉』(岩波書店)、『ルイ・アルチュセール』(岩波新書)、『存在論的政治』(航思社)、『革命論』(平凡社新書)など。
訳書にアルチュセール『哲学においてマルクス主義者であること』(航思社)、『終わりなき不安夢』(書肆心水)、『政治と歴史:エコール・ノルマル講義1955-1972』(平凡社)、フーコー『悪をなし真実を言う』(河出書房新社)、ランシエール『平等の方法』『アルチュセールの教え』(ともに航思社)など。