【著者】長崎 浩

【判型】四六判、上製、スピン有
【頁数】520頁
【定価】本体3,800円+税
【コード】ISBN978-4-906738-50-2

【カバー写真】中平卓馬

 

【ためし読み】

叛乱の世紀が到来した

 

直近でも、世界気候アクションや世界各地の反イスラエル抗議にくわえ、
右派によるイギリスの反移民暴動とその対抗アクション。
日本でも安倍晋三の国葬反対、反戦、脱原発にLGBTQ差別抗議などデモが頻発し、
大衆叛乱まであと一歩。
『叛乱論』『結社と技術』が、
60年安保と「68年革命」のふたつの闘争のあいだを往還しながら切り拓いた大衆叛乱の地平。
両書を合本・増補改訂して復刊、21世紀の現在、資本主義を終わらせ、
世界各地の民衆叛乱に日本でも呼応するべく新たに煽動する。
増補改訂版の書き下ろしとして「はじめに」「あとがき」「解説 廣瀬純」、
時代背景などの注釈多数

 

 

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【著者より】

『叛乱論』は私の1960年代の産物である。大衆の叛乱というコンセプトを、従来の革命運動史の枠組みから自由にすることに、もっぱら関心があった。(…)『叛乱論』に比べて、『結社と技術』は文字通り68年叛乱のさなかに発表した論稿を集めてある。「叛乱論」が大衆叛乱の内的論理を明らかにすることにかまけて、その固有の組織思想の考察が希薄である点を、現下の情勢に対応する形で急遽補おうと意図していた。

――「はじめに」より

 

【目次】

はじめに

第Ⅰ部 叛乱論
 叛乱論
  Ⅰ 政治の経験 | Ⅱ アジテーターと大衆 | Ⅲ 近代世界と叛乱 |
  Ⅳ 叛乱の宿命 | Ⅴ 戦後精神の敗北
 叛乱と政治の形成
 戦後政治過程の終焉
 戦後政治思想の退廃
 付・安保闘争における共産主義者同盟――党内闘争のための総括
 ある「永続革命論」の顚末―一八四八年のマルクス
 技術について――武谷三男論
 悲劇の構造
 彩流社版まえがき
 合同出版版あとがき
 彩流社版解説 『叛乱論』とその時代 小阪修平

第Ⅱ部 結社と技術

 結社と技術――叛乱の組織問題
 主体性の死と再生――自分は誰なのか
 大衆にたいしてストイックな〈党〉――レーニンの結社
 ブランキスト百年――私のブランキ


 欺瞞的で自由なゲリラ――戦後のあとの時代における政治と生の世界
 政治的言語のために――「私」の解体と「我々」の再生
 〈私〉の敵は〈我々〉だ――政治の発言について
 〈政治〉の破砕へ――6・15の成熟と解体


 アナルコ・ニヒリズムと政治――『政治的なるものの概念』をめぐって
 ブロンドのライオンまたは政治のなかの反政治


 時代経験と思想――黒田寛一の「技術論」

情況出版版あとがき
あとがき

解説 長崎浩の世紀はすでに到来している 廣瀬 純

 

【略歴】

長崎 浩(ながさき・ひろし)
評論家。1937年生まれ。
東京大学理学部卒業、同大学院数物系中退。63-70年、東京大学物性研究所助手。
以後、東北大学医学部、東京都老人総合研究所、東北文化学園大学に勤務。
第一次共産主義者同盟(ブント)で活動、東大全共闘運動に助手共闘として参加。
主な著書に
『政治の現象学あるいはアジテーターの遍歴史』(田端書店/世界書院)、
『日本の過激派――スタイルの系譜』(海燕書房)、
『1960年代――ひとつの精神史』『革命の哲学――1968叛乱への胎動』(ともに作品社)、
『叛乱の六〇年代――安保闘争と全共闘運動』(論創社)、
『叛乱を解放する――体験と普遍史』(月曜社、2021年)など。