『年報カルチュラル・スタディーズvol.3』

[著者]カルチュラル・スタディーズ学会

[判型]A5判、並製、2枚表紙、小口折
[頁数]274頁
[定価]本体2,500円+税
[コード]ISBN978-4-906738-13-7

特集〈戦争〉

「カルチュラル・タイフーン」を年に1度、開催する「カルチュラル・スタディーズ学会」。
その機関誌(学会誌)を今年度から小社が出版(年1回発行)。
極右・安倍政権が進める右傾化・軍事化によって現実になりつつある「戦争」。
つねにすでにあった「例外状態」は、
安倍・自民党&公明党の安保政策・戦争法案で極限に達して
「日常」化しようとしている。
それに全面的に対抗すべく、
特集では文学、コミックなどの文化面から、
さらにフェミニズム、戦争の記憶、人種などから戦争を多面的に捉える。

 

主な取り扱い書店一覧

 

【目次】

カルチュラル・タイフーン2014基調講演

 人種差別主義の廃墟のただ中にある多文化的コンヴィヴィアリティ  レス・バック

特集〈戦争〉

 War Is Ordinary  小笠原博毅
 戦争と文学と、「戦争文学全集」  陣野俊史
 可動的系譜伝――マルジャン・サトラピのグラフィック・ノベルにおける密接性と流動性  マリー・トーステン
 戦争を知らない詩人の戦争のうた――ディラン・トマスのラジオ  川島健
 戦争が閃かす白人性――兵士、移民、シティズンシップ  ヴロン・ウェアー
 戦争と「女性の活用」――「母」をめぐるメディア・イメージ  竹田恵子
 三万回の「ラスト・ポスト」へ向かって――メニン・ゲートと第一次世界大戦の記憶  霜鳥慶邦
 冷戦のカルチュラル・スタディーズのために―ロックフェラー史料館とアメリカ民間財団資料  辛島理人

投稿論文

 チェルノブイリ事故後の放射能測定運動と民主主義 生活クラブ神奈川の実践を中心に  安藤丈将
 deafness論の可能性へ――ろう文化論を聞こえない身体から考える  山下惠理
 社会問題の構築とヒップホップの変容――映画『サイタマノラッパー2』を通じて  堀真悟
 統治者は森林地域をどのように対象化したか――戦後米軍統治下沖縄本島北部地域へのまなざし 1945-1972年  森啓輔

書評/映画評

 世界史と芸術論を架橋する革命的クリケット文化批評(書評:C・L・R・ジェームズ『境界を超えて』)  赤尾光春
 〈闇の女〉に見る社会性、その広がりを描く(書評:茶園敏美『パンパンとは誰なのか』)  小路万紀子
 「おはなし」を喚起する力(映画評:纐纈あや監督『ある精肉店のはなし』)  上村崇
 忘れられた台湾野球の名誉と台湾人アイデンティティ-を取り戻す(映画評:『KANO 1931海の向こうの甲子園』)  黄柏瀧

研究ノート

 パルクールと公共空間の認識変容  ドラガナ・ティントール